コラム

福利厚生の種類を目的別に整理“使われる制度”を選ぶ方法をやさしく解説

“使われる制度”

福利厚生を見直したいと考えたとき、多くの企業がまず調べるのが「福利厚生の種類」ではないでしょうか。ただし、制度の種類を把握するだけでは、自社に合う福利厚生を選び切れないケースも少なくありません。

・ 「福利厚生にはどのような種類があるの?」
・ 「利用条件が分かりにくい、申請が面倒、対象者が偏る、などで制度の利用率が低い」

 「自社に合った福利厚生制度を知りたい」

というご担当者の方に向けて、本記事では福利厚生の種類を「目的別」に整理しながら、なぜ福利厚生が使われなくなるのかという構造的な理由と、制度選定で迷いやすい判断ポイントを実務目線で解説します。

福利厚生は大きく2種類に分けられる

福利厚生は大きく「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」に分かれます。

法定福利厚生は、法律に基づき企業に一定の負担が求められる制度です。一方、法定外福利厚生は、企業が任意で導入する福利厚生を指します。

法定福利厚生とは?

法定福利厚生とは、法律に基づき企業に加入や負担が求められる制度です。
主に次の制度が含まれます。

・健康保険
・厚生年金保険
・雇用保険
・労災保険

これらは企業が任意で選ぶものではなく、法律に基づき整備することが前提となる制度です。

法定外福利厚生とは?

法定外福利厚生は、企業の方針や課題に合わせて設計できる領域です。例えば、住宅手当や食事補助、レジャー支援などが含まれます。

企業ごとの差が出るのは、この法定外福利厚生の部分です。
多くの企業が福利厚生を検討する際に比較対象となるのも、この法定外福利厚生の領域になります。

福利厚生の主な種類【目的別】

福利厚生は「法定内・法定外」で分けることが一般的ですが、検討段階では目的別に整理すると、自社に合う方向性を考えやすくなります。

生活支援型の福利厚生

日常生活の負担を軽減し、暮らしの安定を支える福利厚生です。
代表例としては次のような制度があります。

・住宅手当
・社宅制度
・食事補助
・通勤費補助
・慶弔見舞金
・育児支援金

生活費に直結するため、多くの企業で導入されています。ただし、住宅手当や家族手当などは対象者が限られることも多く、制度設計によっては利用者が一部に偏る可能性があります。

健康支援型の福利厚生

従業員の健康維持やメンタルケアを目的とした福利厚生です。
代表的な制度には次のようなものがあります。

・健康診断の補助
・人間ドック補助
・スポーツジム利用補助
・メンタルヘルス相談
・健康増進プログラム

健康は多くの人に関係するテーマですが、制度によっては「意識が高い人だけが利用する」形になりやすいことがあります。日常生活の中に自然に組み込める設計かどうかが、利用の広がりを左右します。

働き方支援型の福利厚生

働き方の柔軟性や、仕事と家庭の両立を支える福利厚生です。
代表的な制度には次のようなものがあります。

・テレワーク支援
・フレックスタイム制度
・育児支援制度
・介護支援制度
・特別休暇制度

働き方支援型の福利厚生は制度そのものよりも、申請方法や利用ルールが分かりやすいかどうかが利用率に大きく影響します。

金銭・インセンティブ型の福利厚生

金銭的なメリットや楽しさを通じて従業員の参加を促す福利厚生です。
代表例には次のような制度があります。

・ポイント付与制度
・表彰制度
・自己啓発補助
・資格取得支援
・レクリエーション補助

導入効果が分かりやすい一方で、短期的な施策に終わらないよう、制度の目的と結び付けて設計することが重要です。

福利厚生制度で起きやすい課題

福利厚生は、導入数を増やすこと自体が目的ではありません。制度が多くても、運用や利用がうまく回らなければ、実質的な効果は生まれません。

福利厚生を整える際には、「なぜ制度を導入するのか」「誰がどの場面で利用する制度なのか」という前提を整理しておくことが重要です。

福利厚生制度を増やしすぎるリスク

福利厚生は、従業員の生活や働き方を支え、安心して働き続けられる環境を整えるための仕組みです。

しかし、制度が増えるほど次のような問題が起きやすくなります。

・利用の導線が複雑になり、使い方が分からない
・一部の人だけが使いやすく、不公平感が生まれる
・運用の手間が増え、周知や制度更新が止まる

このような状態では、福利厚生が本来果たすべき役割を十分に発揮できません。制度の種類だけでなく、実際にどのように使われるかまで含めて考える必要があります。

企業で起きやすい福利厚生の失敗

以下は、企業規模を問わず、福利厚生の運用で共通して見られるつまずきです。

  • 人事・総務が兼務で、制度運用に十分な時間を割けない
  • 働き方や雇用形態が多様で、制度が一部の人にしか合わない
  • 導入後の利用状況を把握できず、改善につながらない

その結果、「制度はあるが、使われていない」「やめたいが、代替案がなく見直せない」といった状態が続いてしまうことがあります。

こうした課題を防ぐためには、制度導入の段階で「実際に使われる仕組み」を設計しておくことが重要になります。

使われない福利厚生にならないための選び方

福利厚生を選ぶ際には、次の3つの視点で判断すると、制度が定着しやすくなります。

自社の従業員構成と合っているか

まず確認すべきなのは、制度の内容ではなく自社の従業員構成です。

企業によって、従業員の年代構成や生活状況は大きく異なります。例えば、若手社員が多い企業と、子育て世代が多い企業では、利用されやすい福利厚生は変わります。

住宅手当や家族手当などは、対象者が限定される場合も多く、制度を導入しても利用者が一部に偏る可能性があります。

そのため、福利厚生を検討する際には「誰が主に利用する制度なのか」を最初に確認することが重要です。

日常生活の中で使われる制度か

次に確認すべきなのは、利用機会の多いテーマかどうかです。

福利厚生には、年に数回しか使わない制度もあれば、日常生活の中で利用できる制度もあります。利用頻度が低い制度は、制度があっても存在を忘れられやすく、利用率が伸びないケースがあります。

一方で、食事・健康・日常の買い物・通勤といった日常生活に近いテーマの制度は、利用機会が多く、自然に定着しやすい傾向があります。

制度を選ぶ際には、「実際に利用する場面が具体的に想像できるか」という視点で確認することが重要です。

運用を継続できる仕組みになっているか

福利厚生は、導入しただけでは定着しません。制度の周知や利用状況の確認など、継続的な運用が必要になります。

制度運用では、次のような業務が発生します。

・制度の周知
・申請内容の確認
・問い合わせ対応
・利用状況の確認

これらの運用負担が大きい場合、担当部署の業務が増え、制度の周知や改善が止まるケースもあります。

そのため、福利厚生は「導入できる制度」ではなく「運用を続けられる制度」かどうかという視点で判断することが重要です。

福利厚生は「種類」より「使われ方」で判断する

福利厚生にはさまざまな種類があります。生活支援、健康支援、働き方支援、インセンティブ型など、目的ごとに整理すると制度の方向性は見えやすくなります。

しかし、制度の種類を増やすこと自体が目的になってしまうと、「制度はあるが利用されない」という状態に陥りやすくなります。

実務上重要なのは、制度の数ではなく、実際に使われ続けるかどうかです。

そのため、福利厚生を検討する際には、次のような視点で考えることが重要になります。

・誰が、どの場面で利用する制度なのか
・利用方法が分かりやすく、迷わず使えるか
・特定の人に偏らず、多様な働き方でも利用できるか
・制度運用が継続できる仕組みになっているか

福利厚生は導入して終わるものではなく、利用状況を見ながら改善していく仕組みです。制度の種類だけで判断するのではなく、「使われ続ける制度になっているか」という視点で選ぶことが重要です。

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