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法定外福利厚生とは?種類と法定福利厚生との違いを分かりやすく解説

福利厚生は、制度として整備されていても、その区分や位置づけが曖昧なまま運用されているケースがあります。中でも、企業が任意で設ける法定外福利厚生は、法定福利厚生との違いや、手当との線引きが分かりにくく、整理に迷いやすい領域です。

・法定福利厚生との違いが分かりにくい
・福利厚生と手当の線引きに迷う
・制度にするか個別対応にするか判断に迷う

こうした迷いは、「何を法定外福利厚生として整理するべきか」という判断基準が明確でないことに起因しています。

本記事では、法定外福利厚生の定義や、法定福利厚生との違い、代表的な種類を整理したうえで、制度としてどのように整理・判断すべきかを解説します。

法定外福利厚生とは

法定外福利厚生の定義

法定外福利厚生とは、法律で実施が義務付けられている制度とは別に、企業が任意で設計し、従業員に提供する福利厚生のことです。住宅関連の補助、食事補助、健康支援、特別休暇、自己啓発支援などがこれに該当します。

法定外福利厚生は、法律上の最低限の保障に加えて、企業が独自に設ける支援制度と整理できます。

制度として扱うための基準

法定外福利厚生は、単に「任意である」というだけでなく、制度として整理されていることが前提になります。

判断のポイントは以下の3点です。

  • 従業員向けの支援として位置づけられている
  • 一定のルールのもとで提供されている
  • 継続的に運用されている

これらを満たすものが、法定外福利厚生として整理される対象になります。

手当との違い

実務では、同じ金銭的な支援であっても、それが給与・手当として支払うものなのか、福利厚生として扱うものなのかの区分で迷うケースが多くあります。

同じ金銭的支援でも「働いた対価として支払うもの(給与・手当)」と「生活や健康を支えるための支援(福利厚生)」では、制度の考え方が異なります。

名称ではなく、「何の目的で設けられているか」で判断することが重要です。

法定福利厚生との違い

法定福利厚生は、法律に基づいて企業が実施する義務のある制度です。例えば、社会保険や労働保険などは法定福利厚生に含まれます。一方、法定外福利厚生は、企業が必要に応じて任意で設ける制度です。

この違いは「義務か任意か」だけではなく、制度としての扱いにもあります。

実務上は、この違いによって「制度として必ず整備すべきもの(法定福利厚生)」と「企業の方針に応じて設計できるもの(法定外福利厚生)」が分かれます。そのため、法定外福利厚生を検討する際は、義務ではないからこそ、どのような目的で設けるのか、制度としてどう位置づけるのかを明確にすることが重要になります。

項目法定福利厚生法定外福利厚生
実施義務あり(法律で義務)なし(企業の任意)
根拠法律(社会保険・労働保険など)企業の方針・制度設計
目的最低限の生活保障・社会保障働きやすさ・定着・満足度向上
内容例健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険住宅補助、食事補助、特別休暇、健康支援など
制度設計の自由度低い(法令に従う)高い(企業ごとに設計可能)
運用の前提必ず整備が必要必要に応じて設計・見直し

法定外福利厚生の種類

法定外福利厚生は幅広く、まずは全体像を整理しておくことが重要です。制度の全体像を把握することで、自社で検討すべき方向性が見えやすくなります。

ここでは、一般的に法定外福利厚生として扱われることが多い制度を紹介します。

生活支援

生活支援には、住宅手当、社宅、家賃補助、食事補助、通勤に関する補助などが含まれる場合があります。特徴は、仕事の外側にある生活コストの負担を軽くしやすいことです。日常生活との接点が多く、利用機会が生まれやすい領域です。

一方で、対象者が限定されやすい制度もあるため、「誰が使えるのか」を設計段階で明確にしておく必要があります。

健康・医療

健康診断の上乗せ補助、人間ドック補助、メンタルヘルス支援、運動習慣づくりの支援などが該当します。健康・医療系は、体調管理や生活習慣の見直しに関わるため、導入意図はわかりやすいものの、使う場面が限定されると利用機会や対象者に差が出る場合があります。

健診のような定期利用型だけでなく、日常の中で接点が生まれる仕組みがあるかも重要です。

育児・介護

育児休業の上乗せ、託児関連の補助、介護と仕事の両立を支える支援などが該当します。
必要な人にとっては重要度が高い一方で、利用対象が限られる場合もあるため、制度全体の中でどう位置づけるかを考える必要があります。

「重要だが、全員が日常的に使うわけではない制度」と、「誰でも使いやすい制度」を分けて考えると、制度全体のバランスが見えやすくなります。

休暇・レジャー

特別休暇、リフレッシュ休暇、保養所、レジャー施設の利用補助などがここに入ります。
休養の機会をつくる制度として意味がありますが、場所や利用タイミングによって使いやすさに差が出やすい領域でもあります。

自己啓発

資格取得支援、研修補助、学習費用の補助などが代表例です。能力開発を支える制度として有効ですが、利用する人としない人の差が出やすいため、制度の意図をどう説明するかが重要になります。

全員に同じ頻度で使われる制度ではありませんが、職種や役割に応じて必要性が明確な場合は、制度としての納得感を持たせやすい領域です。

資産形成

資産形成の制度としては、財形貯蓄や従業員持株会などが含まれます。
これらは、日々の支援とは異なり、将来に向けた備えとして位置づけられる制度です。

法定外福利厚生を考えるときの判断ポイント

法定外福利厚生を検討するとき、迷いは「種類が多い」ことだけではありません。実際には、制度を設ける前の整理段階で判断が止まりやすくなります。

迷いやすいポイントは、大きく次の3つに整理できます。

  • 給与や手当と分けて、福利厚生として扱うべきか
  • 一時的な対応ではなく、制度として設けるべきか
  • 全員向けにするか、一部の対象者に限定するか

こうした迷いを整理するためには、制度の内容ではなく、判断の軸で整理することが重要です。実務では、次の3つの観点で見ると判断しやすくなります。

その制度は「誰が使うか」が明確か

まず見るべきなのは、利用者が具体的に想定できるかです。「従業員のため」と言いながら、実際には一部の人しか使えない制度だと、制度の意図が伝わりにくくなります。

もちろん、育児や介護のように対象が限られる制度も必要です。ただしその場合でも、なぜその制度が必要なのかを説明できることが大切です。一方、食事補助のように日常的な利用場面が想定しやすい制度は、従業員にとって使い方をイメージしやすいと考えられます。

利用シーンが具体的にイメージできるか

制度は、内容よりも「いつ使うのか」が想像できるほうが利用されやすくなります。
使う場面がはっきりしていれば、従業員は制度を思い出しやすく、行動にもつながりやすいからです。

日常的に利用する場面がある制度は想起されやすい一方で、利用機会が限られる制度は存在を認識されにくい傾向があります。

制度として継続しやすい内容か

最後に重要なのが、制度として続けられるかです。導入時にだけ注目が集まり、その後ほとんど使われない制度は、管理する側にも使う側にも負担だけが残りやすくなります。

申請や利用の手続きが簡単で、日常的に使える制度は定着しやすい一方、条件が複雑な制度は利用が進みにくくなる傾向があります。

法定外福利厚生は「何を制度として整理するか」が重要

法定外福利厚生とは、法律で義務付けられた制度ではなく、企業が任意で設ける従業員向けの支援制度です。判断する際は、名称ではなく「働いた対価ではなく、従業員の生活や働きやすさを支える支援かどうか」という観点で整理することが重要です。

また、制度として扱う場合は、対象者や利用ルールが明確であり、継続的に運用される仕組みになっているかをあわせて確認する必要があります。

さらに、誰が使うのか、どのような場面で使うのかが具体的にイメージできる制度は、実際の利用につながりやすくなります。

こうした制度は、自社で設計・運用する方法のほか、外部サービスを活用する形で提供することもあります。

カロリパークスは、従業員がスマートフォンアプリを通じて日常生活の中で利用できる福利厚生サービスです。自社制度の整理や見直しを進める際の判断材料として、具体的な仕組みや、どのように日常利用につながるのかは資料で確認できます。

参考資料