福利厚生サービスの導入や見直しを検討しているものの、「どのような種類があるのか分からない」「どのサービスを選べばよいのか判断できない」と悩んでいないでしょうか。
近年は、健康促進、食事補助、学習支援、育児・介護支援、社内コミュニケーションなど、福利厚生サービスの選択肢が大きく広がっています。一方で、「結局どれも福利厚生サービスなのでは?」と感じる担当者も少なくありません。
しかし実際には、サービスごとに解決できる課題や利用シーンは大きく異なります。そのため、福利厚生制度を検討する際は、まずサービスの種類や特徴を理解することが重要です。
そこで本記事では、次のような内容を整理します。
| ・福利厚生サービス市場が多様化している背景 ・福利厚生サービスを分類する10カテゴリの特徴 ・自社に合った福利厚生サービスを検討する際のポイント |
福利厚生サービスカオスマップ2026をもとに、市場全体の構造や各カテゴリの役割を分かりやすく解説します。
福利厚生サービスの種類が増えている背景
福利厚生に求められるニーズの多様化
福利厚生は、従業員の生活や働き方を支える制度として活用されています。
従来から宿泊補助やレジャー優待などの福利厚生は存在していましたが、近年は健康づくり、食生活の改善、学習機会の提供、育児・介護との両立支援など、さまざまな領域のサービスが登場しています。
背景にあるのは、働き方や価値観の多様化です。従業員によって抱える課題や求める支援は異なるため、一つの制度ですべてのニーズに対応することは難しくなっています。
その結果、特定の課題解決に特化した福利厚生サービスが増え、市場全体も細分化が進んでいます。
人材確保・定着施策としての重要性
福利厚生は、採用や定着にも関係する制度です。ただし、「福利厚生が多い」ことだけが評価されるわけではありません。
従業員が日常的に使えない制度は、実感につながりにくくなります。たとえば、利用できる施設が限られていたり、申請手続きが複雑だったりすると、制度があっても使われないままになってしまいます。
人材確保や定着を考えるうえでは、制度の数だけでなく、実際に使われているかを確認する視点が必要です。利用率や継続利用の状況を見ながら、従業員に届いている福利厚生かどうかを判断することが重要です。
健康経営・ウェルビーイングへの関心拡大
福利厚生サービスが多様化している理由の一つに、従業員の健康や働きやすさへの関心の高まりがあります。
近年は、従業員の健康管理を経営課題として捉える「健康経営」が広がっています。また、心身ともに良好な状態で働ける環境づくりを目指す「ウェルビーイング」という考え方も注目されています。
こうした流れを受けて、福利厚生サービス市場でも、健康促進・ウェルネス型、健康経営・医療サポート型、メンタルヘルス・EAP(Employee Assistance Program)型など、健康に関連するサービスが大きなカテゴリとして存在感を高めています。
福利厚生サービスカオスマップ2026

※カオスマップ掲載の目的
福利厚生サービスカオスマップ2026は、多様化する福利厚生サービスをカテゴリごとに整理し、市場全体の構造を把握しやすくすることを目的に作成したものです。
福利厚生サービスは、総合型の福利厚生代行サービスから、健康促進、食事補助、学習支援、育児・介護支援、社内コミュニケーション支援まで幅広く、サービス名だけでは違いや特徴を把握しにくい場合があります。
そこで本カオスマップでは、各サービスの主な提供価値や利用目的をもとに、当社独自の視点で10カテゴリに分類しました。複数の領域にまたがるサービスについては、主な用途や訴求内容を踏まえて代表カテゴリに掲載しています。
なお、掲載内容は2026年6月時点で確認できる公開情報をもとに作成しています。サービス内容や提供範囲は変更される場合があるため、最新情報は各社公式サイトをご確認ください。
福利厚生サービスは大きく10カテゴリに分類できる
カオスマップに掲載している福利厚生サービスは、提供する価値や解決できる課題によって大きく10のカテゴリに分類できます。
福利厚生サービスは名称や機能だけを見ると違いが分かりにくいこともありますが、「どの課題を支援するサービスなのか」という視点で整理すると全体像を把握しやすくなります。
例えば、従業員の健康づくりを後押ししたい場合は「健康促進・ウェルネス型」、健康診断後のフォローや医療相談体制を強化したい場合は「健康経営・医療サポート型」が候補になります。また、日々の生活支援を重視する場合は「食事補助・社食型」や「生活支援・家計・保険型」が選択肢になります。
重要なのは、どのカテゴリが優れているかではなく、自社がどのような課題を解決したいのかを明確にすることです。
まずは各カテゴリの特徴を理解し、自社に合った方向性を整理してみましょう。
| カテゴリ | 主な目的・特徴 |
|---|---|
| 総合プラットフォーム型 | 宿泊、レジャー、育児、介護、学習、健康など幅広い福利厚生メニューを一括で提供する |
| 健康促進・ウェルネス型 | 歩数管理や運動習慣の定着、健康意識の向上など、日常的な健康づくりを支援する |
| 食事補助・社食型 | 社員食堂や食事補助サービスを通じて、従業員の食生活や昼食環境を支援する |
| 健康経営・医療サポート型 | 健康診断管理、医療相談、産業医連携など、従業員の健康管理体制の整備を支援する |
| メンタルヘルス・EAP型 | ストレスチェックや相談窓口の提供を通じて、メンタルヘルス対策や従業員支援を行う |
| 学習・スキルアップ型 | eラーニングや資格取得支援などを通じて、従業員の学習機会や能力開発を支援する |
| レジャー・旅行・宿泊型 | 宿泊施設やレジャー施設の優待を通じて、余暇の充実やリフレッシュを支援する |
| 育児・介護支援型 | 育児や介護に関するサービスや相談窓口を提供し、仕事と家庭の両立を支援する |
| 生活支援・家計・保険型 | 家計相談、保険、生活関連サービスなどを通じて、日常生活や家計負担の軽減を支援する |
| 社内コミュニケーション・エンゲージメント型 | 社内交流や感謝の可視化、組織活性化を通じて、従業員同士のつながりや組織への参加意識向上を支援する |
ここからは、それぞれのカテゴリについて解説します。
総合プラットフォーム型
総合プラットフォーム型は、宿泊、レジャー、育児、介護、学習、健康など、複数の福利厚生メニューをまとめて提供するサービスです。
福利厚生制度を幅広く整備したい場合や、複数の制度を個別に契約・運用する負担を減らしたい場合に検討されることが多いカテゴリです。
幅広いニーズに対応しやすい一方で、提供メニューが多いほど、どの制度が実際に使われているのか見えにくくなる場合もあります。そのため、導入時は利用状況を把握できる仕組みがあるかも確認したいポイントです。
健康促進・ウェルネス型
健康促進・ウェルネス型は、歩数管理や運動習慣の定着、食事記録などを通じて、従業員の健康行動を支援するサービスです。
健康診断は年に1回でも、健康づくりは日常の積み重ねが重要です。そのため、このカテゴリは日々の行動変容を促すことを目的としています。
また、従業員が継続的に利用することで健康意識の向上につながりやすい点も特徴です。導入時は、継続して利用しやすい仕組みがあるか、利用状況を把握できるかを確認したいポイントです。
食事補助・社食型
食事補助・社食型は、社員食堂や置き型社食、食事チケットなどを通じて、従業員の食生活を支援するサービスです。
食事は毎日発生する支出であり、福利厚生の効果を実感しやすい領域でもあります。
利用頻度が高くなりやすい反面、勤務場所や勤務時間によって利用しやすさが変わる場合があります。そのため、勤務場所や勤務形態にかかわらず利用しやすいかを確認することが重要です。
健康経営・医療サポート型
健康経営・医療サポート型は、健康診断管理や医療相談、産業医連携などを通じて、従業員の健康管理体制を支援するサービスです。
健康促進・ウェルネス型が日常の健康行動を支援するのに対し、こちらは健康情報の管理や健康課題への対応体制を整える役割を担います。
健康診断後のフォローや再検査の受診促進など、健康管理業務の効率化にも活用されています。
メンタルヘルス・EAP型
メンタルヘルス・EAP型は、従業員の心の健康を支援するサービスです。
EAP(Employee Assistance Program)は「従業員支援プログラム」を意味し、外部相談窓口やカウンセリングなどを通じて従業員の悩みや不安への対応を支援します。
メンタルヘルスの課題は周囲から見えにくいため、早期相談につなげる体制づくりが重要です。導入時は、相談のしやすさやプライバシーへの配慮も確認したいポイントです。
学習・スキルアップ型
学習・スキルアップ型は、資格取得やリスキリング、業務スキル向上などを支援するサービスです。
eラーニングや動画研修などを活用することで、時間や場所にとらわれず学習機会を提供できます。
人材育成やキャリア形成を支援する福利厚生として活用されており、学習機会の提供を重視する企業に選ばれています。
レジャー・旅行・宿泊型
レジャー・旅行・宿泊型は、余暇の充実やリフレッシュを支援する福利厚生サービスです。
宿泊施設やレジャー施設の優待、旅行補助などが代表的なサービスとして挙げられます。
仕事以外の時間を充実させることで、リフレッシュや満足度向上につながることが期待されています。一方で、利用頻度や利用者の偏りが生じやすい点は確認しておきたいポイントです。
育児・介護支援型
育児・介護支援型は、仕事と家庭の両立を支援するサービスです。
育児や介護はライフステージによって必要性が大きく変わるため、必要なタイミングで利用できる環境づくりが重要になります。
ベビーシッター補助や介護相談窓口などを通じて、従業員が働き続けやすい環境づくりを支援します。必要になるタイミングが限られるため、対象者に情報が届く仕組みも重要です。
生活支援・家計・保険型
生活支援・家計・保険型は、日常生活や家計負担の軽減を支援するサービスです。
家計相談や保険相談、資産形成支援、生活関連サービスなどが含まれます。
生活に直結するテーマであるため、従業員が福利厚生の価値を実感しやすいカテゴリです。物価上昇や将来への備えに関心が高まる中で、注目される機会も増えています。
社内コミュニケーション・エンゲージメント型
社内コミュニケーション・エンゲージメント型は、従業員同士の交流や組織への参加意識向上を支援するサービスです。
サンクスカードや社内SNSなどを活用しながら、感謝や情報共有の機会を増やすことを目的としています。
働き方が多様化するなかで、組織とのつながりを維持するための施策として活用されており、コミュニケーション活性化を目的に導入されるケースが増えています。
福利厚生サービスは目的ごとに理解することが重要
福利厚生サービスは、一括りに見えても、実際には目的や提供価値によってさまざまなカテゴリに分類できます。
総合型のように幅広いメニューを提供するサービスもあれば、健康、食事、学習、育児・介護、家計支援のように、特定の課題に寄り添うサービスもあります。
大切なのは、福利厚生が“あるか”ではなく、“使われているか”です。従業員が日常の中で使いやすく、継続的に利用できる制度でなければ、せっかく導入しても実感につながりにくくなります。
福利厚生サービスを比較する際は、「どのサービスが有名か」ではなく、「自社のどの課題を解決したいのか」という視点で整理することが重要です。
そのうえで、従業員に継続的に利用される仕組みがあるか、利用状況を把握できるかといった観点から比較検討すると、自社に合ったサービスを選びやすくなります。
カロリパークスは、健康増進をサポートする機能と日常生活に寄り添うサービスを組み合わせた、スマートフォンアプリ型の福利厚生サービスです。歩数管理、健康ポイント、食事記録、健診データ管理などを通じて、日常的に使われる福利厚生を目指しています。
福利厚生サービスの見直しや、使われる制度づくりを検討している場合は、まずは資料で機能や活用イメージをご確認ください。
