従業員の仕事と育児・介護の両立を支援するために、福利厚生サービスの導入を検討しているものの、どのようなサービスを選べばよいか迷うこともあるのではないでしょうか。
育児・介護支援型の福利厚生サービスには、ベビーシッターの利用を支援するものや、介護に関する情報提供・相談に対応するものなどがあります。育児と介護では必要となる支援が異なるほか、同じ育児支援でも、子どもの預かり、送迎、家事支援などサービスによって対応範囲が異なります。
検討時には、次のような疑問が生じやすくなります。
| ・育児・介護支援型のサービスでは何ができるのか ・各サービスにはどのような特徴があるのか ・自社にはどのサービスが合うのか |
本記事では、「福利厚生サービスカオスマップ2026」の育児・介護支援型に掲載したサービスをもとに、育児支援と介護支援の特徴や、サービスを選ぶときの判断軸を紹介します。
※掲載順は、サービスの順位や優劣を示すものではありません。
※掲載内容は2026年9月1日時点で確認できる公開情報をもとにしています。サービス内容や利用条件は変更される場合があるため、導入時には各社へご確認ください。
※本記事でいう「育児・介護支援型」は、「福利厚生サービスカオスマップ2026」における分類です。
育児・介護支援型の福利厚生サービスとは
育児・介護支援型の福利厚生サービスは、企業が従業員の育児や家族の介護と仕事の両立を支援するために導入するサービスです。
育児支援では、ベビーシッターによる子どもの預かりや送迎、家事代行など、家庭で必要となる具体的な支援を提供するサービスがあります。企業が利用料金の一部を補助する仕組みを設け、従業員が必要なときに利用できるものもあります。
介護支援では、介護に関する基礎情報の提供、専門家への相談、仕事と介護を両立するためのセミナーなどが提供されています。介護中の従業員への個別支援だけでなく、将来の介護に備えて知識を得られるサービスもあります。
このように、育児・介護支援型には、子どもの預かりなど実際のケアを利用できるものと、仕事と介護を両立するための情報や相談機会を提供するものがあります。
育児・介護支援型の福利厚生サービス2選
ここからは、「福利厚生サービスカオスマップ2026」の育児・介護支援型に掲載したサービスをもとに、それぞれの特徴を紹介します。
KIDS LINE

KIDS LINE(キッズライン)は、株式会社キッズラインが提供するベビーシッター・家事代行サービスです。法人向けには、従業員の利用費用を企業が補助できる福利厚生プランが用意されています。
| 主な特徴 ・企業ごとに補助対象や補助額などのルールを設定できる ・全国47都道府県で利用できる ・こども家庭庁の「企業主導型ベビーシッター利用者支援事業」による割引券に対応 |
福利厚生プランでは、企業が従業員に法人ポイントを付与し、キッズラインを利用した際の費用に充てる仕組みです。初期費用・月会費はなく、従業員が実際に利用した分について企業側に費用が発生する後払い方式となっています。
利用できるサポートは、子どもの預かりのほか、サポーターによって送迎、早朝・夜間、病児・病後児などがあります。家事代行では、掃除や料理などを依頼できるサポーターもいます。
対応可能な内容や時間帯はサポーターによって異なるため、利用時には個別に確認が必要です。
また、法人向けには、こども家庭庁の「企業主導型ベビーシッター利用者支援事業」による割引券を利用する方法も案内されています。
ウェルビオBiz

ウェルビオBizは、SOMPOウェルビーイング株式会社が提供する、仕事と介護の両立支援に特化した法人向けサービスです。
| 主な特徴 ・全従業員への包括的な支援から介護中の従業員への個別支援まで対応 ・介護に関する情報コンテンツはSOMPOケアが監修 ・看護師や介護支援専門員などの専門家にオンラインで相談できる |
提供内容には、情報提供、実態調査アンケート、セミナー、動画コンテンツ、オンラインコミュニティ、個別相談窓口があります。
情報提供や動画コンテンツでは、介護の基礎知識や事前に知っておきたい情報を従業員へ提供します。実態調査アンケートでは、現在または近い将来に介護が企業や従業員へ与える影響を調査・分析し、社内の状況を把握する材料として活用できます。
オンラインコミュニティでは、将来の介護に不安を感じている人や、仕事と介護を両立している人などが参加し、情報交換できる場を提供しています。
育児・介護支援型サービスを選ぶときの判断軸
育児・介護支援型では、「両立支援」という目的は共通していても、必要となる支援は大きく異なります。
そのため、サービスを比較するときは、機能数や料金だけではなく、育児・介護のどの場面を支援するのか、従業員が実際に必要とする支援まで対応しているかを確認します。
育児と介護のどちらを支援するのかで選ぶ
最初に、自社でどのライフイベントへの支援を用意したいのかを整理します。
育児では、勤務中に子どもを預ける場所がない、保育園への送迎が必要、通常の保育時間外に勤務があるといった場面で、ベビーシッターなどの直接的な支援が必要になることがあります。
一方、介護では、家族に介護が必要になったときに、どの制度やサービスを利用できるのか分からない、仕事と介護をどう両立するか判断できないといった課題が生じます。そのため、専門家への相談や介護情報の提供などが支援の中心になるサービスがあります。
育児と介護の両方を「家庭との両立支援」と一括りにせず、どちらの課題に対応するサービスなのかを確認することが必要です。
実際のケアと情報・相談支援のどちらが必要かで選ぶ
次に、従業員に必要なのが「実際のケア」なのか、「情報や相談」なのかを整理します。
ベビーシッターサービスでは、子どもの預かりや送迎など、従業員本人に代わって具体的な育児を担う支援を利用できます。
一方、介護支援では、介護そのものを代行するのではなく、介護制度や利用できるサービスについて情報を得たり、専門家に相談したりすることで、従業員自身が今後の対応を整理できるよう支援するサービスがあります。
サービス名だけで判断せず、実際のケアを提供するのか、従業員が判断するための情報・相談を提供するのかを区別することがポイントです。
育児では子どもの年齢・時間帯・対応内容を確認する
ベビーシッターなどの育児支援を選ぶ場合は、どのような育児場面に対応できるかを確認します。
子どもの対象年齢はサービスごとに異なります。また、日中の預かりだけでなく、早朝や夜間、休日、保育園・学校への送迎、病児・病後児などへの対応が必要になる場合もあります。
ただし、同じサービス内でも対応可能な時間帯や内容は、担当するシッターによって異なることがあります。
そのため、「ベビーシッターを利用できる」という点だけではなく、自社の従業員が支援を必要としやすい時間帯や利用場面に対応できるかまで確認する必要があります。
介護では「備え」と「介護中」のどこまで支援できるかで選ぶ
介護支援を比較するときは、すでに介護をしている従業員への支援だけでなく、将来の介護に備える段階から利用できるかを確認します。
サービスによって、介護の基礎知識を学べる情報提供やセミナー、社内の実態把握、介護中の従業員への個別相談など、対応する範囲は異なります。
介護が始まる前から情報を提供したいのか、介護中の従業員への個別支援を重視するのかを整理し、自社が必要とする範囲に対応したサービスを選ぶとよいでしょう。
必要な両立支援に合う育児・介護支援型サービスを選ぼう
育児・介護支援型の福利厚生サービスを選ぶ際は、カテゴリ名だけで判断せず、従業員が必要とする支援を具体的に整理することがポイントです。
育児では、子どもの預かりや送迎など実際のケアが必要なのか、利用したい時間帯や対象年齢に対応しているかを確認します。介護では、将来への備えとして情報を提供したいのか、介護中の従業員への相談支援まで必要なのかによって選ぶサービスが異なります。
また、育児・介護支援だけでなく、健康や日常生活など幅広い福利厚生をあわせて検討する場合は、他のカテゴリと比較する方法もあります。
カロリパークスは、歩数・食事記録・健康診断データ管理など、日常生活に接点を持つ機能を備えた福利厚生サービスです。福利厚生全体を見直す際は、「福利厚生サービスカオスマップ2026」やカロリパークスの資料も比較材料としてご活用ください。


